創造「始まる日々」前編

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紅魔館から無事に脱出した二人は魔法の森を歩いていた。 日当たりが悪く、湿気も酷い環境の森だ。 魔理沙の家は紅魔館から然程遠くは無く、紅魔館の周囲の湖に通じている川を辿って行けばそこに着くのだ。 「っ、だぁああああああああ!!」 魔理沙は大きく吼えて伸びをした。 隣に居るフランが驚き、びくっと震える。 「終わったぜー!!」 「ちょ……魔理沙さん……」 耳を押さえながらフランは魔理沙の方を向く。 「あ、ああ。悪ぃなフラン。うるさかったか」 「耳の奥が……」 そんなやりとりをしつつ、森の奥を進んでいく二人。 「ところで妹君。少し気になる事があるんだが……」 と、フランの後ろ側を見ながら魔理沙は言う。 魔理沙の視線の先――フランの羽だと思う煌びやかに輝くそれを見ていた。 「これ? これは翼だよ?」 「いやぁ……そうは、見えない……だけどなぁ……」 色々と思考を巡らせて考えてもそうには見えない。 翼の形状はしてはいるが、外見はまったくそれではない。 「そうかな……? 空は飛べるし……」 翼を羽ばたかせると、普通に浮いていた。 「一体、何だろうな……」 「だから、翼だって」 「どう見たって飛べそうには見えないって」 「飛べてるよ!」 しばらく議論をしていた。 それもすぐに終わる。 結論 →飛べるんだからいいじゃん。 「大丈夫かなぁ……」 後ろを見ながらポツリとフランは漏らした。 魔理沙とフランの大分後ろのほう……視覚では確認出来ない後方からメイドと中国娘が並んで歩いていた。
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