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「だね…!じゃあお世話係はここのエリアからなのかなぁ。あ…、すごいっ!ちゃんと名前が彫ってある!」
ニーナが座席のシートの上部に彫られた金色のローマ字を指でなぞって感動したように手を叩いた。
「…!席が決められてるって本当だったんだね!」
あたしとニーナが自分たちの名前を探し出そうとキョロキョロ辺りを見渡したとき。
「―さくら、ニーナちゃん!」
スズが前から10番目辺りの座席から身を乗りだし、あたし達に向かって手招きをした。
「スズ…!」
あたしとニーナがパタパタとスズの方へ駆け寄ると、スズが嬉しそうに座席を指差した。
「みてみて!窓際から、さくら・あたし・ニーナちゃんの順で席が並んでるの…!」
「うそっ、隣!?」
彫ってある字を確認すると、確かにあたしの名前。
「やった~!」
あたしは思わずスズにギュッと抱き着いた。
「よ、良かった、チェリーとスズちゃんと一緒で…」
ニーナもほっとしたように自分の席へ荷物を下ろした。
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