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婆さんが死んでワンクールが過ぎた。 つまりは冬から春に変わったって事だ。 テレビなんかも特番ラッシュだろ? そんな訳で、俺は居間で寛ぎながらテレビを見ている訳だ。 そんな訳ってどんな訳だって? 細かい事を気にしてはいけない。 それがハードボイルドってもんだ。 俺が寛ぎながらポテチなんかをパリパリ食ってる最中、俺の膝をカリカリと掻く小動物がいる。 コイツはフェネック狐のタマと言う、俺のペットだ。 しかしその正体は、数多の国を滅ぼした古の大妖、白面金毛九尾狐という、バカみたいにデカい狐の妖だ。 そのタマが前脚を自分の目に何度も何度も当てる。 北嶋「なんだって?眼鏡をかけろ、と言いたいのか?」 タマはコクコク頷く。 俺は胸ポケットに忍ばせているグラサンを掛けた。 このグラサンのレンズ部分は万界の鏡の破片だ。 とは言え、その力の源である中心部分の破片だ。 成りは小さくなっても、以前あったデカい鏡、万界の鏡の能力をそっくり引き継いだグラサンなのだ。
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