ワールド

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黒く光る剣先が、俺の肩を浅く抉った。 視界の右上に表示されている細いラインが、僅かにその幅を縮める。 同時に、胸の奥をひやりと冷たい手が撫でる。 横線―――HP(ヒットポイント)バーの名で呼ばれる青いそれは、俺の生命の残量を視覚化したものである。 まだ最大値の九割以上が残っているが、その見方は適切ではない。 俺は今一割型死の淵に近付いている。
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