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不景気なこの時代。転々と巡り、気がつけば故郷へと戻ってきた。
青年の名は裕。22歳。
一年前。
高校生の頃から付き合っていた女とも別れがきた。
とても暑い日。
結婚まで考えていた僕は全てを投げ出したくなるほど無気力になった。
もういいかな…。
実家に電話。親を説得し3年半を過ごした大学を中退した。
周りからは当然の如くバッシング。もったいない、と。
僕は全てを投げ出し、都内を歩いた。アルバイトをし、パチンコをし、アルバイト。この連鎖が無性に気持ち良かった。
時間が経つにつれ、哀れな自分に気づく。
そこから就職活動の日々が始まる。そう簡単に見つかるわけもなく…。親が心配し故郷に帰るよう言ってきた。
すぐには帰りたくなかった。が、そう時間が経たないうちに故郷の土を踏んでいた。
気がつけば故郷に戻っていた。
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