爆弾魔と僕

僕

僕の名前は、ミツル。
中学１年になる。
だから善悪の判断は十分にわかっている。
僕は、爆弾魔と一緒に住んでいる。
狭い暗いアパートで昼も夜も彼と一緒だ。
僕は自由になれない、つまり彼から逃げる事が出来ないのだ。
監禁されている、脅されているなんて生半可な理由で逃げられないんじゃない。もっともっと深い理由があるんだ。
僕は、彼以外に身寄りがない。まあ当たり前なんだが。
僕の住む町は、中途半端な都会だ。町は賑やかだが、繁華街から少し離れれば、たんぼが広がり、蛙の鳴き声なんかも聞こえる。
僕が彼と住んでいるのは、繁華街のほうだ。