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~音~
ケイはあれから毎日あの丘に行く様になった。
金髪の不良と黒髪の線の細い男の子。
全く正反対の二人。
ケイは初めて人に興味を持った。
ナオキはあまり自分の話しはしない。
ケイの事ばかり聞いてくる。
ケイも自分の事をあまり話さない。
だからナオキの事ばかり聞く。
お互いどこに住んでるのも解らない。
ただあの丘が二人の場所だった。
ナオキは常にクールだった。
何事にも動じず、頭が良く、回転も早い。
ケイは短気で何事にも熱く、感情をむき出しにしている。
そんな二人はお互いを認め合い、お互いを慕っていた。
携帯番号を交換し、雨が降った時は電話をしていた。
ナオキはあるアーティストが大好きでその人を目指しているらしい。
音楽の事になると普段にはない表情で嬉しそうに話していた。
ケイはそんなナオキの笑顔がうらやましかった。
自分にはそんなものはなかったからだ。
夢…
その時、ケイはナオキが遠くに行ってしまった様な気がした…
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