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「あ、このポスターまだ貼ってんだ」
光は部屋に上がるなり
2LDKの狭いアパート住まいの俺の部屋を散策する。
「…おい」
「あ、そーいやこのポスター貰うのに始発で行ったよな」
「なあ……」
「あ、このボール、福引きで当てたやつた」
「……おい!!光……」
痺れを切らして、光の肩をつかみ、顔を無理矢理向けさせる……
ほろり…と、光はコッチを向くなり涙を落とした。
「…薮」
光は俺の名前を呼び、泣きながら笑う。
「別れた」
青春なんてサヨナラした
あの春の卒業式
終わったと思っていた三角関係は続いていた
「伊野尾と………?」
俺の問いに、光は頷いて頭を垂れた。
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