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パニックになっている俺をじっと見つめていた目の前の人物は、左右に小さく首を振った。
やっぱり日本語は通じなかったか……。
英語は通じるか?お前は誰だ、どこから入って来たんだ、って英語で何て言うんだっけ……。
…うわ、こっち近付いてきた!
白い髪の人物は俺に一歩、二歩と近付いてくる。
そして差し出した俺の手を取ると、そのまま手の甲に口付けた。
「違うよ、アリス。『はじめまして』じゃない。会いたかったよ、久し振り」
目の前の人物は流暢な日本語でそう言った。
穏やかだけど爽やかな声。いわゆるイケボってやつか。
そして、声でコイツが男だということが分かった。
俺に向けられている笑顔も、近くで見るとキラキラしたエフェクトが掛かっているように見えるのは、めちゃくちゃ綺麗な顔をしているからかもしれない。
これは男でも迫られて嫌だとは思わない……
……って、違う!!
「何すんだ!手を離せ!てか、お前誰だよ!?何処から入って来た!?」
ようやく正気に戻った俺は、握られた手を振り払った。
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