私と、友達

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「さ、寒い…」 5月の朝。同じ学校の人と歩きながら、私は非常に後悔していた。  坂道の上にある桜山駅から降り、右手に通う高校のグランドを見る。 私の通う岳吉(たけよし)高校は、確かに駅から近い。徒歩3分以上かかる坂道を歩けば、すぐに正門が見えてくる。 しかしなんの嫌がらせか、正門はグランドと校舎を挟んで、正反対の場所にある。 間接的なイジメかと、切りすぎた髪を掻きながら呟く。 学校行事のバレーボール大会が終わり、遅いながらも髪を思いきり切った。 誤算だった。山に近いこの道は、5月でも冷たい風が容赦なく首に当たる。 首が非常に寒いのだ。  何故か、マフラーが欲しくなった。 我ながら、イタイ…。
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