ある少女の日記

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   さくらの花びらが、ひらひらと音もしないでおちる。そうしてできた、さくらのじゅうたんの上をわたしは歩く。  学こうがおわって、やることもなかったわたしは、ちかくの山へあそびにきてました。引っこしてからあんまり日がすぎてないので、この町はまだまだわからないことだらけ。  できたばかりの友だちより気になることばかりでした。  今日は、おうちのうしろにあった山を「たんさく」していました。「わき」のほうには草もはえてて「でこぼこ」だらけだけど、頭の上にあるさくらがキレイな、「コンクリート」でできた山みち。たくさん歩いたけど、「つかれた」なんて思いません。はるの「ようき」は、歩くのにちょうどいいのです。  見上げたら、さくらの木はピンクのトンネルのようにならんでて、その間から見えるお日さまがとってもステキなの。「水とう」をくれたママに伝えなきゃいけない「おはなし」ができて、「足どり」はいつの間にかスキップにかわってました。  やがてトンネルもおわって、一気にあたりの「見はらし」がよくなる。「うんどうじょう」みたいになっているここには、きゅうけいのできる「やね」が真ん中にあります。ほかにはすこし歩いた先に「てんぼうだい」があるくらいで、あとは人の手が入ってない「しぜん」があるだけ。とてもシンプルなつくりでした。  あたりを見わたす。どうやら、わたしのほかにいる人は男の人が一人だけみたいです。手すりからすこしだけはなれたところに、「しずか」に立ってます。  ここから見える「けしき」は、どんなものだろう。たかいから、きっといい「けしき」なんだろうな! 「こうき心」から、わたしはさびれた「てんぼうだい」に走ってむかいます。
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