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「Domine」
四角に区切られた僕の夢
視覚を遮る君への案山子
答えのない虚無の問いを
僕は何故君に告げたのか
思考と指向と試行の果てに
紡がれた、二つの果実
初めから狂っている天秤で
選ぶという無謀な選択
「もう、答えなんて出てるんだろ」
耳奥で囁く声は誰だったか
片道だけの切符握る理由は
ありきたりの夜空に浮かぶ
君というラグランジェポイント
何もかもが、遅すぎた
歯車は、淡々と動いて
道は交差せず、唯一人
無尽の荒野で空を見る
誰もいないはずの荒野
一筋の音楽が流れる
響き続ける聞き慣れたメロディー
このオルゴールは、誰のだったか
箱自体が希望
器こそが真理
オルゴールの蓋を閉め
彼は再び歩き出す
オルゴールという希望とともに
いつまでも
いつまでも
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