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ようやく落ち着いた頃、私は祖母に連れられて畑の端にきた
そこは土の色が違っていて少し盛り上がっていた
「ここにくろちゃんが埋まってるんだよ」
「くろちゃん…ここにいるの…?」
しゃがんで土の膨らみを見る
「くろちゃん…きたよ」
泣き尽くしたはずの涙が溢れてくる
「くろちゃん…すぐこれなくてごめんね…」
涙がどんどん溢れて土に染み込む
「くろちゃんは幸せだったよ、姉ちゃんや弟(名前は伏せます)ママに可愛がられて大切にされてたんだから」
祖母が私の肩に優しく触れる
「くろちゃん…幸せだった…?本当によかった…?」
私は返事のない質問を繰り返した
くろちゃんから
「ありがとう」
と言ってほしかった…
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