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とうとう一匹になったちびちゃんは本当に静かになった
何もせずにぼーっとして反応も少なく寂しいそうだ
そんなことがしばらく続く
ある日私は学校帰り母の仕事場に立ち寄っていた
「もうすぐお昼だから待っててね」
「うん!」
お昼に家まで母に送ってもらっていたので事務所の邪魔にならない場所で待っている
すると一人の人が事務所に入ってきた
段ボールの箱を抱えている
「誰か知らないが猫捨てていった人がいた。○○ちゃん見てみな可愛いよ」
その人は不機嫌そうにしながらも優しく私に声をかけて箱を置く
(私は仕事場の人達とは顔なじみ)
「猫ちゃん!」
すぐに箱をのぞく
「わぁーー!」
中には白い体に灰色虎模様のめんこい猫びくびくしながらいた
「可愛い!可愛いよママ!」
母も箱をのぞき
「本当可愛い」
と言った
「この猫ちゃんどうするの!」
私は連れてきた人に聞いた
「もらい手がいなかったら保健所に連れていくしかないなぁ」
困ったように答える
私は聞いた瞬間母に
「うちに連れていこうよ!ちびちゃんのお友達になってもらおう!」
「じいちゃんに聞いてみないと…」
「やだ!飼う!」
母の声を遮って箱を抱える
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