序章 不思議な力と転校生

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歩きながら自分の服装を見なおしてみた。 今日から制服を夏服へと替えることになっている。御城(みしろ)高校の生徒はそれを義務付けられているのだ。 半袖のブラウスと赤いチェックのスカート、女子は例外なくこの格好である。 生徒は皆制服を替えるのだが、なんとなく緊張してならない。 ――う~ん。やっぱり、なんか恥ずかしいなぁっ……。 私は羞恥心を抑えるために両手で顔を隠した。いつも一人の通学なのですぐに誰かに見られることはない。 私が通う御城高校は普通高校であり成績は市内で2番か三番といった具合である。 現在、少々古くさいその学校の二年生だ。 普段より僅かにゆっくりとした足取りで歩いていく。しかし、その足を止めてしまった。 「あれ?」 今どこかで猫の泣き声が聞こえた。しかし、辺りを見回してもそれらしき物は見当たらない。が、 「やっぱりする」
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