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そんな時出会ってしまったんや
蒼色の翼をもった天使に
「waif様、旦那様がお呼びです」
wを呼びにきた使用人の声は微かに震えてる
wの赤目を見た者は
wの声を聞いた者は
不 治 の 病 に か か り 死 す
そんな噂が下界に充満している
だから、wは独りになるんや
「あんたは下がってえーよ、あ...旦那はんに槐が来とった言っといて」
うちの声が聞こえたら
少しだけホッとした吐息がもれたのを
うちはちゃんと知ってる
「うち帰るわ、w明日も来るから」
ふわふわな紫の髪を手櫛で梳いてキスを落とす
カーテンで閉ざされてしもた
窓の外の世界
wはこの部屋いがいを知らない
人が不幸を感じるたび
人の声がwの中に響く
そうなるとwは中々寝付けない
夜は特に声が聞こえるという
昼間は仮眠をとれる程度しか聞こえてこーへんやて
「またな」
目下より少しだけ長めの前髪で瞳を隠し
ドアから出ていった
きっと旦那はんに会いにいったんやろ
そんな事を思いながら
窓を開けて自分の家にむかう
「ぇ!?人が墜ちてきてはるっ」
うちの家は街から少し離れた
泉の近く
なんや知らんけど天界の横泉つーとこと繋がってるらしいで?
その泉の上から落下してきた人
蒼色の翼
白色の服
ブロンドのロングヘアー
虚弱的な色白の肌
頭の上に浮かんでる飴色の輪
下界にはいない不思議な人
とりあず墜ちてきてはるからにはほっといたらあかんやろし
空中で受けとめたんやけど
うちよりデカイ身体に
力のはいっとらん肢体
重くて仕方あらへん
うちの家はwの家ほどでかくない
けれど部屋は2部屋あって
1つはリビング
白と淡い橙色を基調としたパステルカラーの部屋
もう1つは寝室
キングサイズのベットは
赤色で整えてる
照明は黒と紫の薄暗い色
赤と黒と紫はwの色なんや
赤目
黒羽
紫髪
全部、wの色や
うちw大好きやからね
「ん、...誰?」
目を覚ました一言めがそれ
「うち槐いいます、あんたが空からふってきはったから、取り敢えずでうちの家に連れてきたん」
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