2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 幼い男の子は、暗闇の中に何か潜んでいる気配を感じていた。 灯りを灯せばその不安は少しは解消されていた。  男の子の家は、先日、火事になっていた。さいわい全焼にはならずに済んだが。 家の中から黒い煙が出ていた。それを目にした時、恐怖が走った。黒い煙は闇を作り出していた。 幼い男の子にとって、その時の記憶は、忘れられないものとなった。 なぜなら、幼い男の子の瞳には、黒い煙が死神に見えたから。 あれは生きてる。 僕を闇の中へ引きずり込もうとしている。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!