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幼い男の子は、暗闇の中に何か潜んでいる気配を感じていた。
灯りを灯せばその不安は少しは解消されていた。
男の子の家は、先日、火事になっていた。さいわい全焼にはならずに済んだが。
家の中から黒い煙が出ていた。それを目にした時、恐怖が走った。黒い煙は闇を作り出していた。
幼い男の子にとって、その時の記憶は、忘れられないものとなった。
なぜなら、幼い男の子の瞳には、黒い煙が死神に見えたから。
あれは生きてる。
僕を闇の中へ引きずり込もうとしている。
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