~異変~

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いつもと変わらぬ朝。      朝食を済ませ、いつものようにあやこを待つ。       …いつもの時間にこない。         昼になってもあやこはこなかった。       嫌な予感がケイの頭の中でよぎり、あやこを探しに行く。       ケイはあやこの病室がどこにあるのか知らない。       ケイは病院の中を駆け回った。       ケイ「…ハァハァ…。あった!!」       ケイは扉の前で息を整える。       …コンコン       「…はい。」       …おかしい。あやこの声ではない。       ガチャッ       病室の中に入ると見知らぬ婦人が座っていた。       ケイは気を落ち着かせて婦人に尋ねる。       ケイ「…お聞きしたいのですが、ここはあやこさんの病室ではないのですか?」       婦人はこちらを向いてにっこりと笑った。       婦人「…君がケイ君ね。そうですよ。ここはあやこの病室です。」       ケイは鼓動を必死に抑えてゆっくりと口を開いた。       ケイ「…あやこさんはどちらに?」       婦人はゆっくりと答える。       婦人「ちょっと体調を崩してしまって…。心配しないで。検査をしてるだけだから。」       ケイは胸を撫で下ろした。       ケイ「…そうですか。良かった…。」       ケイの頭の中に疑問が残った。       ケイ「…何故、僕の名前を知っていたのですか?」       婦人はクスッと笑い、答える。       婦人「あやこの言ってた通りの人だったから。すぐに貴方だって分かりましたよ。」       ケイ「…あやこが?」       婦人「…えぇ。あやこがいつも嬉しそうに貴方の事を話しているんですよ。」       ケイ「…」       ケイは顔を真っ赤にした。       婦人は穏やかな顔をしている。       婦人「早く病気を治してケイ君と色んな所に行くんだ…って。あやこのあんな顔、初めてみたのよ。」       ケイ「…そうですか。すると…。」       婦人はコクリとうなずく。       婦人「あやこの母です。よろしくね。」       ケイは改めて深くおじぎをした。       ケイ「…ケイです。いつもあやこさんと楽しくお話しをさせてもらってます」
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