最初から迷ってない。

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「アルフ! フェイトを頼んだ」 「わ、わかってるけどあんたは・・・・・・?」 ああん? んなもん、決まってんだろ。 「あの馬鹿を連れて帰る!」 アリシアの入った筒に縋るように抱きつく、馬鹿。 「もう駄目だよ! 間に合わない・・・・・・タクミまでフェイトを悲しませないで!」 「フェイトが起きる頃には合流する。だから、行ってくれ」 心中する気も、アルハザードへ紐無しバンジーさせる気もない。 最後の最後で、ここまで繋いだものを離してたまるか! 「――駄目、駄目だよ、タクミくん!」 なのはの声。 「行っちゃ駄目! お願いだからフェイトちゃんのそばにいてあげて!」 「そうよ、もう時間がないの! タクミくん!」 『そんなこと言ってる時間もないんだって!』 なのはにリンディさんにエイミィ。 三者三様。 「隊長さんよ! リンディさんたちを頼んだ!」 「ッ、くそ!」 俺の声に、隊長が舌打ち。 他の隊員たちはすでに倒れているし、俺の場所までは虚数空間のせいで近づけない。 「――アルフはフェイトを連れて速くアースラに。タクミは、ボクが連れて帰るよ」 「ユーノ・・・・・・」 「だってさ、ユーノがいるなら安心だ。行ってくれ」 不安げな表情のアルフに微笑み、転移を促す。 隊長も隊員たちとなのは、リンディさんを一カ所に集め、転移魔法を発動させようとしていた。
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