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そこまでじっとおれたちの弁当を見ていた桔梗が、何かを閃いたように一馬に言った。
「ねぇ、手作り弁当………………いる?」
「いらん」
桔梗の提案に一馬は桔梗を見もせずに即答で否定し、バクバクと購買で買った弁当を食べ続けた。
一馬ひでぇ、桔梗の気持ちになってやれよ。
そう思って、おれは一馬に蔑んだ目を送っていた。
神夜も呆れたのか、軽く叱咤した。
だが、そう言われた事を微塵にも思わないようで桔梗は胸ポケットから一枚の折り畳まれたA4サイズの手紙を引っ張り出し、
「むり、拒否権ない。お義母様から承諾済み」
そう言って、桔梗は折り畳まれたA4サイズの用紙を開き差し出してきた。
内容は一馬母から一馬への手紙だった。
『一馬のことは全て桔梗ちゃんに一任してるので、桔梗ちゃんの花嫁修業のためにも逆らわないこと。もし破ったら、桔梗ちゃんと籍を入れる、もしくは桔梗ちゃんの命令を一つ聞くこと。それすらも破ったら、一回破るごとに小遣いを半減していきます。』
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