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「そうよ。人間の学園って興味があったけど、飽きちゃった。
先生、あたしの正体が分かるなんて、ひょっとして氷の鉄壁の構成員か何か?
ただの保健医じゃないでしょ? 袖にナイフを隠し持っているなんて」
悪魔は耳まである口を大きく広げ、ニタリと笑う。
先程までの清楚な姿は、仮の姿だったという訳か。
「そうす」
「しっ。今の私は白銀先生ですよ、黒菱君。
その単語はタブーです」
唇に人差し指を当てて悪戯っぽく笑うと、帝は悪魔に視線を戻し、ナイフを構える。
「校内で剣を振りまわす訳にもいきませんし、殺し方は静かな方法で参りましょう。
――――悲鳴もあげられない、殺し方で」
「あら、そんな素敵な殺し方で殺してくれるの?
じゃあ、あたしは学園のアイドル白銀先生の真っ白な白衣が真っ赤になる殺し方で殺してあげる」
それは光栄ですと答え、帝と悪魔は同時に走り出した。
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