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「ねえねえねえ!聞いた?5組の転校生!」
だんだん暑くなってきたある朝。
玲があたしの席のそばにやってくるなり、興奮気味に言った。
シンのいる5組に、転校生?
「ふーん、珍しいね」
一応進学校だし、転校してくるには推薦状や試験が必要らしく、転校生はあまりいない。
「あの時のフォクシーよ。フォクシー」
あたしはびっくりしてガッターン!とすごい勢いで椅子から立ち上がった。
和やかにざわめいていた教室が、一瞬シーンとなった。
「あ、あ、ちょっとびっくりしちゃって…。はは」
あたしは、不自然なひきつり笑いを浮かべながら、ゆっくり席に座った。
「あ、あの子転校生だったんだ…」
「今もう、5組はその話題で持ちきりだって。
バスケ部でもすごい噂になってた。すごい美人なんだって?」
あたしは、あの時の美少女を思い浮かべた。
「うん…すっごい美人だった。あんな子初めて見た」
そうか、あの子が5組に…
シンのクラスに…
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