571人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
とさ…
悠輝の手をすり抜け
総司の手が布団へと力なく落ちる
「総司さん?」
総司は幸せそうな表情で瞳を閉ざしていた
「…」
「寝ちゃったんですか?
ねぇ、総司さん?」
いつもみたいに笑って
冗談だって、驚いた?って言って下さいよ
何度も何度も名を呼び
彼の体を揺らすが総司は目を覚まさなかった
「もう。私にだって、言わせてくれたって…
いいじゃ。ない…ですか」
涙を流しながら、悠輝は笑った
彼の手を取り、自分の頬へと当てる
まだ暖かい、彼の温もりを覚えるように…
最初のコメントを投稿しよう!