第三十一話

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とさ… 悠輝の手をすり抜け 総司の手が布団へと力なく落ちる 「総司さん?」 総司は幸せそうな表情で瞳を閉ざしていた 「…」 「寝ちゃったんですか? ねぇ、総司さん?」 いつもみたいに笑って 冗談だって、驚いた?って言って下さいよ 何度も何度も名を呼び 彼の体を揺らすが総司は目を覚まさなかった 「もう。私にだって、言わせてくれたって… いいじゃ。ない…ですか」 涙を流しながら、悠輝は笑った 彼の手を取り、自分の頬へと当てる まだ暖かい、彼の温もりを覚えるように…
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