スタート!!

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ガタッ、ガタガタ…とトラックが揺れる… 『続きまして、松田聖子さんの赤いスイートピーです。どうぞ…』 車のラジオから、伝説のアイドル、松田聖子さんの曲が流れる。 「心の岸辺に咲いた~赤い~スイートピー♪」 ラジオから流れる曲を唄う私。 「松田聖子だな?しかし、もう20年以上前の曲なのに、よく知ってるな?」 お兄ちゃんの智也が、トラックを運転しながら私を見て笑う。 「そりゃもう!私、聖子さんが大目標だもん!20年以上たっているのに、まだこうしてリクエストがかかるのよ?凄いじゃない!まさに伝説のアイドル!私も息の長いアイドルになってやるんだ!」 目を輝かせながら、喋る私に苦笑いの兄…… 「まぁ…頑張れよ……おっと、ここだ!ここだ!」 キキッー! ブレーキを踏んでトラックが止まる。 「キャッ!」 急にブレーキを踏まれたものだから、体が前に持っていかれる。 「もう!乱暴なんだからっ!未来のスーパーアイドルが乗ってるのよ、もっと優しく運転してよね!」 私の言葉に兄が笑う。
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