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準備運動を終えて、俺は渋々、果林は意気揚々とスライダーの列に並ぶ。
「桜、楽しみだねー?」
コイツわざと言ってるんじゃないか?
「そ、そうだねぇ。」
まだまだスライダーの高さまで達していないのに、恐怖で小刻みに震える俺の肩に誰かが手を置く。
「ねぇねぇ、君達女の子2人で遊びに来てるのー?」
振り返るとそこにはやたらキラキラした笑顔を見せる茶髪のイケメンと爽やかな黒髪がいた。
「2人で来てるなら、俺達と一緒に遊ばない?俺達も男2人で寂しかったんだよ。」
「遊ばねーよっ!」
肩に置かれたそいつの手を払いのけ、前の空いたスペースを階段を登って詰めて行く。
「ごめんね。桜がダメって言ってるから遊べない。」
俺にはほとんど見せる事のない猫を全身で被った姿で果林が言う。
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