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「やめて、お願い。何でもする、
何でもするから。お願い。
殺さないで。」
女の声が薄暗い部屋の虚しく
響いた。
その声を背中で聞きながら、男は
拳銃とナイフを見比べていた。
ふと何かを思い付き、命乞いを
している女の前へ行った。
男は、どっちがいいと言わん
ばかりに拳銃とナイフを女の
目の前に出した。女はそれを見て
ますます命乞いを必死にした。
それを見たポケットからコインを
出し上空に弾くと、それを掴み
違う手の甲に隠した。そっと、
手をどけると、コインは表向き
だった。男は、ナイフを置き、
拳銃の撃鉄を起こした。
女はパニックを起こし、後ろへ
下がっていた。しかし、右足が
横の柱に固定されていて、すぐに
動けなくなった。
男は女の眉間に銃口を当て、
引金を絞った。
女はあっという間に力尽き、
後ろへ倒れた。
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