第一里 我、血を嫌うものなり……

1/72
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/373ページ

第一里 我、血を嫌うものなり……

昔々、術者や呪い者が信じられて居た頃、各国は両班(りょはん)が治めていた。 両班は、己の国と民の事を一番に考える事が義務付けられている。 しかし、大陸全土の両班がそう言う訳ではない。 ある国では、己の為だけに…… ある国では、我が儘后の為に…… ある国では、各々の欲の為に…… ある国では、神を我がものとする為に…… この様な国では、民の悲鳴や荒れ地がたえなかった。 しかし、己の欲の為だけに民や国を捨てた両班をある者達が罰した。 人間なのか、はたまた妖怪なのか…… 不思議な力を持つ者達は、五方星の印を翳しながら己等をこう名乗った。 アメンオサ……と。 彼等のおかげて、各国は治安を戻した。 しかし、なおもまだ荒れ地や民の悲鳴は続いていた…… そこで、アメンオサ達は各地に独断での判断を言いつけられた。 我らの剣は大地の為 我らの血は民の為 我らの命は国の為 我らの舞をとくと見よ さすれば死する時の痛みや苦しみはなかろう 心逝くまで楽死めよ 永遠の安らぎを与えてやろ この志を胸に抱き、彼等は各国に散らばった。 .image=340690833.jpg
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!