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堅く大きな拳を 小さく横に動いてかわし、突っ込んでくるディングの顔面に 右拳が叩き込まれた。
「…ッッ！」
突っ込む勢いに乗った状態でもらったカウンターに、ディングは口から血を漏らし、上体を仰け反らせる。
しかし、ディングはそれでも倒れずに踏ん張った。
「―グッ！」
そこに鋼輝の左の掌底が仰け反ったディングの顎を捉え、後ろに体が泳いだ。
距離を詰めるように踏み込んできた鋼輝は、すでに右拳を作って振りかぶっていた。
(―…ッ！！)
反らされた体を強引に戻し、ディングは間合いを詰めた鋼輝に向けて斜め下から右拳を繰り出す。
相打ち、もしくは反撃を狙った速い拳が、鋼輝の顔面に迫っていく。
が、
鋼輝はパンチを出そうとした右手を止め、迫る拳を頭を下げてかわし がら空きの右横腹に素速い左拳がめり込んだ。
「……クッ！」
苦痛に顔を歪め、痛みにより後ずさりしてよろけたディングの腹に、真っ直ぐに右の拳が突き刺さり、吐血とともにさらに後ろに下がった。
すかさず接近してくる鋼輝を振り払うように、豪腕を振り下ろした。
「――…」
大木のような腕を両手で受け流し、ディングの左頬に地面を蹴って右膝をぶつけて、ディングの大きな体が吹き飛んだ。
鋼輝は着地と同時にすぐさま攻撃に転じようとした。
「……！」
しかし、休むことなく連続攻撃を仕掛け、全てを確実に当てていた鋼輝は 動きを止めた。
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