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「つまり評論文は書いてあることが答えなんだから妄想しないこと。以上。今日の授業はここまで。予習復習、特に復習を怠らないように」 ―――――― 夜ご飯を食べ終えると、みんな疲れていたのか風呂に入ってすぐに寝入ってしまった。 「あはは~お疲れ様~」 そう言って明音は麦茶を差し出す。 礼を言って、ためらうことなく俺は一気にそれを飲み干した。 すると、今日の徒労感と奇妙な充実感が合わさり、混ざり合って徐々に沸き上がるのを心身に感じる。 「……課題がたくさん見つかった」 「うん。いいこと。いいこと」 「俺は学校の先生じゃないんだけどな」 「あれ?そっちのほうの課題だったの?」 「ああ。勉強はみんなまぁまぁ出来るんだ。勉強はな」 まぁ、一応夏は受験の天王山だしな。それなりに仕上げてはきていた。 「どうしたもんですかねぇ」 「何か転機がな……、俺を信用出来るような何かが…」 人は失敗して大事な何かに気付く事がある。たまに。 だが失敗する前にそれを気付かせてやるのが教師なのだと俺は思っている。 コミュニケーションに障害を持った奴も一人二人いるからな。 「なんだかんだで楽しそうだね~」 「…………」 思わず頭を抱え込んでしまった。  
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