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「久しいな、少女」
「シャンテさん……それに、……ソフィアも」
「――なぁ」
状況に耐えきれず、ちょっと不機嫌な顔をしたグローはクリマに声を掛けた。
「誰なんだよ、こいつら。いきなりそのガラス菅から出てくるし」
「あっ、えっと……」
「! 待て」
クリマが状況を説明をしようと口を開こうとした瞬間、シャンテはそれを瞬時に遮った。
「まずはここから出る。話はその後だ」
「でしでし! なんかくるでしよ!」
クリマから離れたソフィアという名の少女は、髪に縛り上げた赤いリボンを揺らしながら、通路の方に振り返る。そして近くのテーブルに誰かがあらかじめ用意していたようだった水色のワンピースを素早く着込み、ロング丈が気に入らなかったのかど真ん中からいきなりビリっと破いてしまった……。それを横目に見たシャンテは少し苦笑いをしているように見えた。
シェイド達も通路側方向に目線を移すと、先程よりも数が増えている蜘蛛達が匂いを嗅ぎ付けて、ワラワラとこちらへと向かってきていた。
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