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>「さぁて、我が儘なお姫様の為に、零崎を始めるとしますかねー」
>浅い眠りについた不夜城の片隅で、零崎朱識は楽しげに呟いた
>
>「しっかしまぁ、僕に女性を殺させるなんてなぁ…流石零崎紅織、だよね…?」
>嬉しそうに楽しそうに、そして残忍に、朱識は嗤う
>「あはは……たぁっぷり奉仕してあげるから…待っててねぇ…見ず知らずのお姉さん」
>
>呟いて、また、嗤う
>
>「あはは……まぁ、女性だから僕なんだけどね…少女だったら、[少女趣味]<ボルトキープ>の曲識兄さんだものねー…くふふふ…」
>
>ひとしきり嗤うと、朱識は先程から自分を訝しげに見ている男へと笑い掛けた
>
>
>冷たい、残忍な笑みで
>
>
>「まずは……腕慣らしからだよね…?」
>
>男はその冷たい笑みに縫いとめられたように、立ちすくんでいる
>
>「あはは…くふふふ…」
>
>笑う嗤う听う哂うわらうワラウ…
>
>ワライながら、近づいていく
>
>「さぁ、それじゃあ――」
>
>男の眼前で、朱識は告げる
>
>「零崎を――始めます」
>
>
>[無償奉仕]<セレクトレスエモーション>
>零崎朱識ゼロザキアケシキ
>
>それが今現在の彼の名前だった
>
>
>
>朝と夜の狭間の逢魔が刻――
>偽りの街の片隅で、
>零崎の幕が静かに開く――
>
>
>
>
>―さぁ、楽しい零崎の時間を、始めよう?
>
>
> 第一章<嗤う零崎>了
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