1 嫌な予感

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Y子ちゃんの家の時計を見ると、朝の5時半でした。 一日の疲れがどっと出て、何をするのもかったるくなりました。 あぁ… 速攻で帰らないと仕事に間に合わないなぁ… タイムリミットはあと1時間ちょっとでした。 Y子ちゃんとの余韻に浸る間もなく、急いで帰る支度をしました。 支度をしてる最中、Y子ちゃんは、 「B子の事は気にしないでね、私が言っておくから」 気にしていた事をフォローしてもらいました。 大丈夫かな? 「大丈夫じゃないと思う…でも、もう仕方ないでしょ」 窓の外を見ながら淡々と喋っているY子ちゃんを見て、年が3つも下なはずなのに、大人のように見えました。 その時、僕は… 何も言わなかったのか? 何も言えなかったのか? 今となっては分かりません。 続けてY子ちゃんは、 「そうだ!いつも聞くのを忘れてたけど、デューク君の会社にK君って居ない?」 K? 下の名前は? 「T!」 うーん、居たかなぁ? 僕は、すぐにピンと来たんですが、トボけて聞いてみました。 その人がどうしたの? 「知らないなら言うけど…私の同級生なんだよね」 ふーん、そうなんだ。 「それで…」 それで何? 「…高校生の頃、付き合ってたの」 ふーん、そう。 ………… ……… … 今更そんな事を… しかも、こんな日に? 実は、そのK君と言うのは、当時よくツルんでいた後輩だったのです。 って事は… my brother? Realy? 正確に言えば、僕が弟になるワケですけどね。 ♪凍えそうな 季節に君は 愛を どーこー云うの? ♪そんなんどーだっていいから 冬のせいにして♪ ♪暖め合おうー ↑やっぱりそんな時代 そして僕は、 T.M.Revolution並みに、呼吸が出来ない程の向かい風を受けて、小雪がチラつく中央道を窓全開で帰りましたとさ。
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