~プロローグ~

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「これは、なに?」 黒髪黒目の小柄な少女が尋ねる。 小首を傾げる動作についていくようにくくられたポニテが揺れる。 「え? ああ、白はこれ初めてか?」 その白と呼ばれた少女の問いに答えたのはその右隣りに座るショートカットの活発そうな長身の少女。 「初心者連れてきたの……か?」 その言葉に反応したのは緑の向かいに座る、目にかかる程の前髪、そして小学生かと思うほどの容姿を持った少女……もとい幼女。 喋り方や雰囲気も相まってその姿は小動物を連想させる。 「ええ、恋花先輩。 緋奈に問答無用で拉致られたんです」 どうやらボーイッシュな少女は緋奈(ひな)、幼女は恋花(れんか)というらしい。 「じゃあ基本的なことから解説しなければいけないみたいね?」 そういってスッと立ち上がったのは完璧なスタイルをした美少女(胸的な意味で)。 「鈴音先輩、別に私打ちたい訳では……」 そういう少女達の前に置かれているのは、卓。 ぱっと見テーブルに見えるが、そのその上に並んでいるものをみる限り違うだろう。 テーブルの上に並んでいるもの、それは――― 「白ちゃん、覚えるわよね? …………麻雀♪」 麻雀牌だった。
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