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「颯斗。俺、嬉しいんだ」
「う、嬉しい?」
言っている意味がわからなかった。こんな世界に巻き込まれて、死にかけて……何が嬉しいんだ……。
俺が聞き返すと相馬は俺の手を下ろして俺に向き直った。
「俺とお前と飛鳥は昔からの知り合いで親友だ。柊だってまだ付き合いは短いけど親友だと思ってる。そんなお前らは何かを俺達に秘密にしていた。それは別によかった。秘密は誰にだってあるからな。でも、その秘密が何か俺達を遠ざけてるような気がしてた」
相馬は気づいていたんだ。俺達が何か大きな秘密を隠していることを……。
そこまで考えていた相馬に俺はひどく申し訳ない気持ちになった。
飛鳥は微笑みながら柊に近づき、柊の手を握った。
「私達はそれがつらかった。だから嬉しいのよ。あなた達二人の秘密を知ることが出来て。そして、私達もこの超能力対策室で働きたいの。あなた達と同じ時間を、同じ世界で生きていきたいのよ」
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