第一章 離れゆく日常

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そんなこんなで今にいたる。 「無理無理無理無理!絶対無理!」 間に合うはずもない。 彼の家は比較的学校から近いところに建っているが、学校までは普通に行って十五分程度。 遅刻は八時三十分からで、彼が家を出たのが二十五分。 賢い方ならばすぐにわかるだろうが、物理的に無理である。 しかし、彼は諦めていなかった。自分の力を信じて全力で走り続けた。 学校が見えてきた所で彼は残る力を全て使い、走った。 「うぉぉぉぉぉ!間に合えぇぇぇ!」 結論から言うと遅刻である。 彼は職員室で遅刻カードを書き、教室へ向かった。 教室に入った瞬間、待ってましたとばかりに笑われた。
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