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何で、それだけでそこまで美羽が顔を紅くするのか分からなかったが、再現してくれるのなら有難い。
だから俺は首を縦に動かした。
「してくれるなら、頼むよ」
俺がそう頼むと、美羽はビクッと体を震わせた。
かるく狼狽してるように見えるし…………もしかして無理してんのかな。
「み、美羽? 無理にやる必要は────」
「にっ! 兄さんは動かにゃいでくだひゃい!」
噛み噛みだった。
俺の言葉を遮る程の大声で言ったくせに連続して2回も噛んだ。
俺は、そんな美羽に思わず笑いかけた。
だがその瞳が必死さを訴えているのが分かった為に、表情には出ない様に耐えた。
そんな事をしている内にも、美羽は椅子に座っている俺に近付いてくる。
気付けば美羽は何かを覚悟出来たのか、落ち着きを取り戻していた。
「兄さんは、絶対に動いちゃ駄目だよ? それに、今回は目を瞑らなくても良いからね」
美羽はもう一度、俺にそう忠告すると、
そのまま、俺の唇に自らの唇を触れ合わせてきた。
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