Drop.31 黄金光

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紅茶色をした少年の髪が、さらりと靡く。 (何故だ…………) その外見に驚愕の顔を浮かべるマティアスは、俄かに信じられない。 (まさか…………) 反面、その脳は意外な程冷静で、記憶を遡りながら答えを導き出していた――… …――バルテウスでの精密検査を頑なに拒んでいたシャルロッテ。 『自分の命より大切なものを見付けたからだ!』 彼女の瞳の奥にあった、揺るぎない決意の眼差し。 カイザーとミリアンが首を傾げながら話す、突然現れたという不思議な少年。 『そいつはお前と同じように結界に触れ、更に穴まで空けた。その後は、まるで風のように消えちまったよ』 少年に秘められているであろう未知の能力。 マティアスは悟った。 もし"そう"だとしたら、パズルのピースが埋まるように全てのつじつまが合う。 他人とは思えない筈である。 何故なら、おそらくこの少年の正体は――… .
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