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まだ名もない時代。
一人の若者と、一人の娘が恋に落ちました。
若者は愚直なほどまっすぐで、その瞳には嘘を許さない強さがありました。
鋭く前を見据えた、力ある優しいまなざし。
その正直な瞳には、柔らかい笑顔の娘がいつも映っていました。
決して華やかではない娘。
けれど、ひとたび娘の笑顔を目にした人々は口々にいうのです。
『美しい』 と。
娘の笑顔は争いを忘れさせ、悲しみを和らげ、喜びを涙に変えるほど。
今日もその笑顔は、咲くのです。
まっすぐな若者の隣で、美しく。
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