清く！正しく！潔く!?

番外編

「菊乃、上手いじゃない」
「何回か友達の赤ちゃんを抱っこしてるからね」

感心する百合姉に得意気にそう答えて、「ねーっ！」と、答える筈のない陽菜ちゃんに同意を求めた。

「菊乃さんに歯向かったら怖いと本能で察知したんでしょう。利口な子です」

負け惜しみのように言う清吾さんに、陽菜ちゃんに向けていた笑顔は固まって、こめかみ辺りがぴくぴくと引き攣る。
私たちの間に殺伐とした空気が生まれた瞬間だ。

「さあ、陽菜ちゃん。もうコツを覚えましたから、戻っていらっしゃい」

清吾さんはにっこりと笑顔を作って、両手を陽菜ちゃんに伸ばした。
勿論、それを遮るように体を翻す。