硝子の壁

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  広い平原に椅子がひとつ 腰掛けて耳を澄ます 鳥や虫の鳴き声 動物達の駆ける足音 それらが木霊の様に 響いている他は 生き物の姿を認められず 草が乱雑に風に揺れている 遙か遠くに丘や森があり 小さな雲と見違う程の おぼろげな姿で かすかに山脈が見える   椅子の廻り三メートル四方に 透明な硝子の壁があり 私はそこを出ることが出来ない 出ようという気もないので また椅子に座り直す よく目をこらすと 遠い丘の上で 彼が鷹と戯れている   ふと気付けば 私の足元に野兎がいて つかの間うろついた後 すぐに離れ 姿を消してしまう 追っても壁に弾かれ まるでフラッシュの様に 消えたり現れたりを 繰り返すだけだ   それが何処から現れたのか? 多分 私は気付いている   壁から一歩外に出れば
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