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「ジェイル!?」
ルジャン、リリィと共に1階ロビーへと降りたセレステは満身創痍のジェイルの元に一目散に駆け寄った。
「や……セレステー……」
「何ヘラヘラしてやがんだボケ!!手当てっ!すぐに手当てを……!!」
セレステがこの世で絶大的な信頼を置けるのはジェイルのみ。
そのジェイルが目の前で息も絶え絶えとしているのだ。セレステが抱える不安も果てしない。
「駄目だよセレステー……。僕は部下に運んで……もらうから……君は作戦に戻って……」
「でも……っ!」
「セレステ……!!」
ジェイルはセレステの生い立ちを知っている。
ルジャンやファミリーに逆らえばセレステがどんな目に遭わされるかを知っている。
だからこそ、ここにいさせてはいけない。
「……分かった……」
溢れそうになる涙を拭うセレステ。
ジェイルを1度だけ優しく抱き締めると……ルジャンの元へと戻った。
「外での銃撃戦がまだ終わらないか。だが待てば時期に決着も着くだろう」
と、ルジャン。
増援は既に呼んだ。待てば、来る。
その時だった。
「……何してやがる」
殺気を放つ声が後方から。
ルジャンがゆっくりと振り返ると……そこには長海の姿があった。
「何、とは何だ?」
「言わなきゃ分かんねぇか……!リリィを連れてテメェは一体何をしてやがるって聞いてんだ!!!」
リリィを……夥しい遺体の中を歩かされ怯えるリリィを人質に取られた。長海の怒りを暴発させる理由などそれだけで充分だ。
「おじさん……」
リリィが初めて弱々しい声を漏らした。
その瞳に、一片の希望を映すと共に。
「ジェイルが満身創痍になった理由は貴様か、マコト=ナガミ」
「預けるぞ」、とセレステにリリィを受け渡すルジャン。
「おい待てよ!!ジェイルをやったのあいつなんだろ!?なら私が……!」
「貴様が勝てる相手ではない。誰も手を出すな。死にたくなければな」
サブマシンガンを携え……長海と対峙する。
「関係ねぇよ。テメェを始末したら後ろの奴らもあの世行きだ。そんで、リリィを返してもらうぜ」
「知ったことか。……それよりも個人的に貴様に用があるのでな」
ルジャンは思い切り床を蹴ると
「一緒に来てもらうぞ、マコト=ナガミ」
駆け出した。
ルジャンが狙うターゲットの1人とは長海 真。
目的達成のための重要人物として……身柄を拘束する。
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