三、黄金の花

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  朝は苦手だ。 でも朝は仕事が山積みだからおばさんが毎朝細い木の棒を持ってやってくる。 干した洗濯物をたたくその棒で思いきり怒鳴りながらお尻を叩くのだ。 ――起きなさいったら!美瑞!? 別に虐待ではない。寝坊をする子供に母親がよくする行動だ。 木の棒だって力を入れすぎれば折れてしまうし、分厚い布団の上から叩かれる為、血は出ない。 もちろん、お尻が多少赤くはなるが。 ――わかった!わかったわかった!!起きるってばっ! 鼻息荒く部屋を出ていったおばさんを少しだけ睨み、痛むお尻を撫でながら階段を降りていくと、朝食と共に置かれた、濡れた布。
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