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変化が無いこと。
それは人によっては苦痛かもしれない。
だけど、俺にとってはそれこそが何よりの幸せだった。
何故なら、変化がない方が妙なトラブルに巻き込まれず、平和な毎日を何気なく過ごしていけるからだ。
毎日に不自由してるわけでもなく、不満を感じてもいない俺にはそれだけでいい。
そんな、ちょっと人より落ち着いた高校二年生。
変わってる所と言えば、家が金持ちだった事と、その両親がもう天国にいるという事だけだ。
今の俺がこんな風に考えるようになったのは、早くに両親を亡くしてしまった事が原因なのかもしれない。
「宗一(そういち)様、夕ご飯が出来ました」
「あ、うん…ありがとう。今行くよ」
自分の部屋にいた俺を、一人の女性が呼びに来た。
まだ27歳の女性で、この家で働く唯一の家政婦である。
とは言え、家には俺以外の家族はいない。
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