初めてのお仕事

30/35
59人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
恵美の目から涙が流れる。 「ほんとうにありがとうございました」 再び頭を下げる恵美に生徒会役員は笑顔でそれに応えた。 「前川君もう日も暮れたから嶋さんを家まで送ってもらえるかな?」 恵美の涙が退いた頃、綾がそんな提案をする。前川はもちろんと頷いた。 それから2、3会話して前川と恵美は生徒会室から出て行った。 「それにしてもさっきの夏川さんかっこよかったな」 「うん、とっさに嶋さんを助けて。まるで王子様みたいだったね」 「確かにな。だからあん時も微動だにしなかったのか」 和也と綾の会話に士稀がなにか納得している。 「士稀君あん時って?」
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!