59人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
恵美の目から涙が流れる。
「ほんとうにありがとうございました」
再び頭を下げる恵美に生徒会役員は笑顔でそれに応えた。
「前川君もう日も暮れたから嶋さんを家まで送ってもらえるかな?」
恵美の涙が退いた頃、綾がそんな提案をする。前川はもちろんと頷いた。
それから2、3会話して前川と恵美は生徒会室から出て行った。
「それにしてもさっきの夏川さんかっこよかったな」
「うん、とっさに嶋さんを助けて。まるで王子様みたいだったね」
「確かにな。だからあん時も微動だにしなかったのか」
和也と綾の会話に士稀がなにか納得している。
「士稀君あん時って?」
最初のコメントを投稿しよう!