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次に俺は朔夜に軽く説教 山盛りになった灰皿を指差し、朔夜を見上げた 『あれは吸い過ぎだろ』 「仕方ないじゃない…それぐらい心配だったんだから」 あんだけ吸ったらいくら何でも間違いなく身体を悪くするはずだ 少しは自分の心配もして欲しい 『でも…』 「じゃあもう俺に吸わせないように… ずっと俺の傍にいて俺を監視しててよ」 ドキッ 『……』 今、不意にドキドキさせられてしまった また抱き寄せてきてそっと唇を重ねてくる朔夜のキスは、煙草で少し苦くて… もうこんな苦いキスはしたくないと思った 「ちゃんとやめるから心配しないで」 『…うん』 あの灰皿に積もった煙草の数ほど… 朔夜の心配は大きかったんだなって改めて思う だけど何本あるのか本当にわからないぐらいの煙草の数 恐ろしい… 「ごめんね、直ぐに片付けるから…」 ――――― その日の夜、俺は朔夜と一緒に尾澤さんちに行った 『…俺もだけど、うちの朔夜がご迷惑をおかけしました』 「ごめんね」 「……いえ」 少し苦笑いの尾澤さんに謝罪 いくら尾澤さんが朔夜の破壊行為慣れしてるからと言ってそのままにしておく訳にはいかない 今回の破壊行為は俺のせいでもあるし 「気にしないで下さい。ドアなどいくらでも修理すればいいんですから」 そう言って朔夜を見る尾澤さんを見て今度は俺が苦笑い 一体朔夜は何回尾澤さんちの玄関を破壊したんだろう 『…すいません』 「いえ、私は別に気にしてないのですが… あの、勝哉さんが…」 勝哉さん… 『……』 そうだ いきなり押しかけた上に俺は勝哉さんのお楽しみを邪魔してしまったんだった… しかもその後さらに朔夜はドアを破壊 『……』 明日、仕事休もうかな… .
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