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しかし、乗り越えなければいけない壁だって世の中には腐る程あるんだ… 「あ、憂さん」 「……」 次の日、休まずきちんと出勤した俺はいきなり勝哉さんに目で殺されかけた ビクッ 『あ…の、勝哉さ…ん…』 恐る恐る小さな声で話し掛けてみる 「……」 すると、大魔神は俺にゆっくり近付いて来たんだ… 「クソガキ…」 『………は、はい』 ヒィイイ…怖いッッ 「てめぇ…」 「憂さん、昨日たまたま見かけたんですけど一緒にバイクに乗っていた人誰ですか? 何か凄く仲が良さそうな感じだったんですけどもしかして新しい相手でも見つけたりとかですか?あの時はさすが憂さんだと思いましたよ」 まるで家政婦は見たばりの勢いで俺に話し掛けてくる曽我にまた冷や汗 だけど、今はこの曽我くんが天の助けに見えた その時勝哉さんが一瞬曽我くんを睨んだ 「あっ…何ですか勝哉さん… そんなに見つめないで下さいよ」 「はぁ!?」 『……』 行け! そこだ行け曽我!! …なんて心の中で一生懸命曽我を応援するが、それも儚く散った 「曽我、てめぇはちょっと黙ってろ」 「わかりました勝哉さんっ」 え…えええ 俺は勝哉さんに首根っこを掴まれ、その辺に捨てられた 『……痛い』 「お前らアホップルには散々邪魔されてよぉ…ぁあ?」 『すいません!マジすいませんっ』 とりあえずその場で土下座 プライドなんて今はどうでもいい まだこの若さで死にたくない 「あのクソヤローが出てった後どうなったと思う?」 『……』 想像つきそうで全く想像出来ない 「起きてみるとあいつには家に置いてけぼりにされるわ何故か玄関ドアの修理の立ち合いはさせられるわ…」 『すいま…』 顔を上げて勝哉さんをふと見てみると、 勝哉さんの首にちゃっかりキスマークが付いていた 『………』 「何見てやがんだ…」 キスマーク… 『…ふふっ』 つい笑ってしまった俺はその場で勝哉さんに締め殺された .
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