rain…

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「ほら、出来た。」 「良かったね?ミーちゃん。」 「餌にするか?」 コンビニ袋のカサカサと言う音に、耳がピクリとなる仕草が可愛い。 「お兄ちゃん…何買ってきたの?」 ミルクとパンだけにしては、少し大きな袋。 「牛乳とパン。」 「と?」 「油性ペン。」 「…と?」 「キャットフード。」 「スペシャル…まぐろ缶?」 しかも3缶も。 「まだ赤ちゃんだから食べないんじゃない?」 「でも猫ってパン食うの?」 「どうだろう…」 「好きなほう食わせりゃいいだろ?…って思ってさ。」 丸みのあるお皿にミルクとパン。 高さのないお皿には缶詰を開ける。 「お前はどっちが好きなんだ?」 2つのお皿を目の前に、仔猫はにらめっこ。 「早くしねーと俺が食うぞ?」 ミァア、と鳴いてミルクをペロリ。 「あ、飲んだぁ!」 「美味いか?」 「パンも食べたよ?」 「やっぱキャットフードはまだ早かったか。」 食べる姿が一生懸命に見えて、可愛さ倍増。 「でも何で3つも?明日解放するんでしょ?」 「夜、朝、昼の分。」 「猫は三食もあげちゃいけないのよ?」 「へぇ?少食だな。」 その言葉通り、ミルクもパンも半分でギブアップ。
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