三日月

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あんな家には居たくない。親なんて何もわかってない。 でも置いてきた飼い犬が気がかりだ。 泣きそうになるのを我慢する。 「泣くな、女が廃る……」 見上げた空には三日月。 小さい頃、家族で出掛けた帰りに車の窓から見えた月。 『月はどこまで付いてくるの?』 不思議に思っていた幼い自分を頭からかき消した。
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