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教室内に差し込んだ光は、黄金色みたいな明るい色ではなく、青みのかかった朝焼けのような色の光だった。
それが教室の床を薄気味悪く照らしている。
シルエットが浮かび上がり、声が聞こえてくる。
「まさか君から直接会いたいとコンタクトがあるなんてね」
「その声は、和義……お前が楓を殺したのか?俺の忠実な犬のお前が殺したのか」
「何を言ってるんだい?ボクは楓ちゃんを殺してなんかいない」
「は?!」
「罪と罰の名にかけて君を始末する」
「ちょい待て和義!普通に考えて可笑しいだろ。俺は今縛られてるだろ。どうやって和義を呼び出すことができたんだ」
「そんなの関係ない。君はこうなる運命だったんだ」
「待ってって!何かか変だ!そうだ、部屋を明るくしてくれ、楓の……」
そこまで言って隼人は言葉を切った。
理由は、首謀者は教えます。というより直接ご対面の方が良いでしょう、この言葉に引っ掛かったからだ。
――ということは楓を殺したのは和義だ。
隼人は叫んだ。
「七海先生を呼んでくれ!携帯持ってんだろ、電話してくれ」
和義は携帯を手に持って意味深な笑みを浮かべた。
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