告白

10/10
102457人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
教室内に差し込んだ光は、黄金色みたいな明るい色ではなく、青みのかかった朝焼けのような色の光だった。 それが教室の床を薄気味悪く照らしている。 シルエットが浮かび上がり、声が聞こえてくる。 「まさか君から直接会いたいとコンタクトがあるなんてね」 「その声は、和義……お前が楓を殺したのか?俺の忠実な犬のお前が殺したのか」 「何を言ってるんだい?ボクは楓ちゃんを殺してなんかいない」 「は?!」 「罪と罰の名にかけて君を始末する」 「ちょい待て和義!普通に考えて可笑しいだろ。俺は今縛られてるだろ。どうやって和義を呼び出すことができたんだ」 「そんなの関係ない。君はこうなる運命だったんだ」 「待ってって!何かか変だ!そうだ、部屋を明るくしてくれ、楓の……」 そこまで言って隼人は言葉を切った。 理由は、首謀者は教えます。というより直接ご対面の方が良いでしょう、この言葉に引っ掛かったからだ。 ――ということは楓を殺したのは和義だ。 隼人は叫んだ。 「七海先生を呼んでくれ!携帯持ってんだろ、電話してくれ」 和義は携帯を手に持って意味深な笑みを浮かべた。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!