距離感

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「ううん。」 「じゃあ、なんで?」 美桜は小さな声で答えた。 「私、海に入ったことないから・・・」 ・・やっぱり、美桜の悲しい瞳の理由は・・・。 「したことがないなら、してみようぜ。」 「でも、何にも準備してきてない・・・。」 「大丈夫だよ、タオルは車にある。服が汚れたら帰りに買ってやるよ。」 俺の顔を見つめていた美桜が瞳を輝かせて頷いた。 いつもは、笑っていてもどこか悲しみを含んでいる瞳が初めて輝いた。 俺はそれが単純に嬉しかった。
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